エンゼルバンク

三田紀房のマンガにエンゼルバンクというマンガがある。これは前の記事でも書いたドラゴン桜のスピンオフ作品である。主人公はドラゴン桜で高校教師として登場した井野真々子である。32歳の女性教師である彼女は教師の仕事に退屈し始めており、前作の主人公である弁護士の桜木に相談を持ち掛け、そのつてで転職エージェントの海老沢康生と出会い彼のもとで働くようになる。そして転職エージェントとして井野は働くようになる。仕事がつまらないと嘆く中堅商社の若手の男性社員、正論をぶつけるばかりで回りとうまくやれない東大卒商社マン、一般職で応募したがためになかなか出世や昇給が見込めない30代女性、専業主婦になって再就職先がなかなか見つからない女性様々な人物の転職相談を持ち掛けられる。そのたびに井野は納得してもらえるようなプランを考えるが企画するたびに海老沢に一笑に付され、相談者を怒らせたりするのだが、彼らのキャリアプランを真剣に考え、相談者のプライドや心情に配慮しながらも意表を突くようなプランを提示するようになる。

これが面白いと思ったのは、就活、転職は受験のように正解がほとんど決まり切っていて試験日までにやるべきことが明確に決まってくるわけではなく、労働市場を取り巻く人間の市場価値と、人間の心理によって大きく左右される。会社組織をどう見るべきなのか、転職においてどんな失敗がありがちなのか、どんな人が印象よく見られるのかがマンガを読めばかなり的を射た内容が書いてある。

作中に会社は誰のものかという問いがある。直感的には経営者のものだと思うだろう。しかしファイナンス論をかじっていたりする人や、資本家の走狗である会計士の立場からすれば株主のものであると答えたくなる。

しかし大方の予想に反して海老沢は従業員のものであると答える。

また経営者は顧客のためではなく、従業員のために働くべきであると海老沢は主張する。

これは顧客に直接価値を伝える存在である従業員を最も重視することが会社が利益を上げるために重要であるという考え方からきている。

経営学用語ではサーバントリーダーシップと呼ばれ、サウスウエスト航空などが成功例としてあげられる。顧客からの評判も良く売り上げも上がっているそうだ。

多くの会社が株主や経営者ではなく従業員のために存在するようになれば日本の労働市場も活気づくというのは本当にその通りだと思った。

朕は国家第一の僕なり

タイトルの言葉は私が最も尊敬する歴史上の人物の残した言葉である。

誰だか分かるだろうか?

世界史を選択した方なら分かると思うが、18世紀に啓蒙先生君主として有名なホーエンツォレルン朝のフリードリヒ2世(大王)である。

18世紀のドイツは、諸侯が入り乱れており、神聖ローマ帝国という国の皇帝を中心となって多くの国に分かれていた。神聖ローマ帝国の皇帝はその中の大きな国であるオーストリアの君主が歴任していた。しかし、17世紀に発生した三十年戦争という宗教戦争によって神聖ローマ帝国の求心力は衰え、新興勢力であったプロイセンが勢力を伸ばしてオーストリアシュレジェンという鉱物資源が多く採れる地域をめぐって戦争をしていた。

 

周辺のヨーロッパの国々を巻き込んだ大規模な戦争となり、最終的にフリードリヒ2世プロイセン王国を勝利に導き、ヨーロッパの列強に肩を並べるまでに国を大きくし、現在のドイツという国を作り上げる原動力となった。

そんな彼になぜひかれたのかを上げていこうと思う。

 

 ・父親との確執を乗り越えるための力になった

フリードリヒ2世の父フリードリヒヴィルヘルム1世は兵隊王と呼ばれるほどの武辺者で宮廷の庭も練兵場にしてしまうほどであった。ところがフリードリヒ2世は父に似ず、芸術や音楽を嗜んだ。それが父フリードリヒヴィルヘルム一世には軟弱に見えたのだろう。彼は王子であるフリードリヒ2世を鞭で打つなどの虐待を行った。

そして耐えかねたフリードリヒ2世は彼の生母の実家である英国に亡命しようとするのであるが、逃亡中に親友のカッテとともに捕らえられてしまった。

フリードリヒヴィルヘルム1世は怒りのあまり二人とも処刑しようとするが、跡取りであるフリードリヒを殺すことには群臣からも、即位後に恩を売ろうという魂胆の諸外国からも反対に遭い断念した。

しかし、親友カッテはフリードリヒ2世の目の前で処刑され、少年フリードリヒ2世にとって大きなトラウマになった。

最終的には、神聖ローマ皇帝を始めとする諸外国の王侯のとりなしもあってフリードリヒは廃嫡を免れ、和解する。

 

私は中学、高校、大学と進学、就職に関して父親と大きな確執を抱えていた。一方的に干渉し、国民的アニメサザエさんの波平のように咎めたててくる。そのたびに争い、傷つき、毎回早い段階から受験を意識して対策を立てそれなりに成果を出してきたがそういった確執を意識するあまり思っていた結果には一歩及ばないものになってしまった。

そこに対して深い後悔と、取り除いてやりたいと何度も強烈な感情がわいてきた。

何かを成し遂げるには、身近な人間との確執を乗り越える覚悟と勇気がいるのだ。フリードリヒ2世が乗り越えてきた虐待に比べればこんなものは甘い。きっと乗り越えられるという確信を彼の生涯から感じた。

・教養のレベルが半端なさすぎ

ヴォルテールなどのフランス人の思想家とも親交が深く啓蒙思想に通じ、拷問の廃止、貧民への種籾貸与、宗教寛容令、オペラ劇場の建設、検閲の廃止などの改革を行う。

・ドイツ語とフランス語のバイリンガルだったという。

・フルートの名手でフルート交響曲を何本も残している。

・飢饉に強い作物を研究し、ジャガイモの栽培を推し進める。ドイツ料理=ジャガイモなのもこれによる影響が大きい。

・人間嫌いな所が自分にそっくりだから

 フリードリヒ2世は人間嫌い特に女嫌いであり、美女で教養高いと有名な英国の王女と政略結婚するも、宮廷に決して立ち入らせなかったという。ただし、二人の間では文通によるやり取りは行われており、彼女はフリードリヒ2世のことを尊敬したという。

私は特に女嫌いではないが、イケメンでもスケベでもない私にとって恋愛や結婚のメリットや意義は見いだせていない。よって勉強したり、本を読んだり、運動したり、ゲームしたりする時間を削ってまでやるべきではないと判断し、恋愛・結婚には一秒も関わらないと決心した。にもかかわらず、大して異性にモテるわけでもなく、学業成績もイマイチな人間に恋人がいないことを理由に居丈高に説教されたり、人格にケチをつけてきたりされるのが非常に頭に来た記憶がある。

私は女性の友人と話したりLINEしたりすることは楽しいが、仰々しく付き合うのは煩わしいし、同居を義務付けられるのはイヤ。でも結婚による信用力は欲しい。だから彼らの結婚生活は私にとって理想なのだ。

・類まれなる幸運の持ち主

フリードリヒはオーストリア継承戦争(1748~1756)でオーストリア軍に勝利し、シュレージェンを占拠する。しかし、オーストリアの女帝であり、彼の天敵であるマリアテレジアはシュレジェン奪回のためにかなりガチでプロイセンを攻撃しにかかる。

かねてから折り合いの悪いフランスと同盟を結びさらにロシアにまで援軍を要請する。オーストリア一国でもプロイセンにとってはかなりの難敵なのに3国となればかなりの窮地に陥る。最強プロイセン軍もついに首都ベルリンに追い詰められ、ロシア、オーストリアの軍に包囲される。万事休す、フリードリヒ2世自身も自殺を考えるほど追い詰められたが奇跡が起こった。なんとロシア軍がオーストリア軍に対して猜疑心を抱くようになり、またオーストリア軍もロシア軍がなかなか動かないのをみて攻撃を躊躇してしまった。そこで両国は協議の結果グーベン条約を結んで、ロシアはバルト海近郊の東プロイセンを、オーストリアシュレジェンを領有すること(いずれもプロイセン領)、単独講和をしないことを約束した。これによってフリードリヒは軍隊を立て直すことが出来た。

さらに戦争終盤、女帝エリザベータが死去し、子のピョートル3世が即位した。

ピョートル3世はフリードリヒ2世の大ファンであったため、ロシア軍は一時的に味方になり、後に撤退。(彼の妻エカチェリーナ2世のクーデターによる撤退)これによってフリードリヒは窮地を脱しオーストリアに勝利することができた。

オーストリアとロシアがなかなか総攻撃をしかけなかったこと、ロシアが一時的に味方になったことはブランデンブルクの奇跡と呼ばれた。

私も慶応の商学部を浪人時にD判定をひっくり返して合格した時に彼の奇跡が自分にも起きると信じて勉強した。

このように彼の伝説は私の人生に降りかかる困難を乗り越えるのに大きく貢献した。

これからも私にとって尊敬すべき偉人として存在し続けるであろう。

 

 

私の人生を大きく決定づけたマンガ

ドラゴン桜というマンガを知っているだろうか?

これは2004~2005年にブームになった。底辺高校の龍山高校の偏差値30代の高校生が東京大学に現役合格する奇跡の物語であるとされているマンガである。えっ東大受験の物語ではないの?と思われた方それは読んでいないか、少し読んだだけで本質を理解していない人なのではないかと思います。

主人公は弁護士の桜木健二であり、彼は元々、龍山高校の債権整理のために委託を受けた破産管財人であった。行き詰った龍山高校に対して彼は進学校化による経営再建を提案し、そのための改革を推し進める物語であり、東大受験をした二人の高校生はあくまでその広告塔にすぎない。

そのことをはっきりと本音をぶつける桜木に対し、二人の高校生は時折反発するが、社会の理不尽さに触れたりするうちに桜木の説く社会の現実を理解し始める。

私は中学3年生から高校一年生にかけてはまっており、これを読んで受験は根気とテクニックさえあればだれでも一流のエキスパートになれる。もともと中学高校の成績は上位であったため素直にこの言説を信じ努力した結果、進研や河合の模試で65~70程度の成績を修め、地元の旧帝大程度であれば合格圏内と言われるまで成績を伸ばした。

しかし、もろもろの事情で高校3年生の時に大学受験に大失敗するのであるがこれについてはおいおい書いていこうと思う。

そしてこのマンガや、当時の大阪府知事である橋下徹氏(私は行列の出来る法律相談所のレギュラーメンバーだったころから彼のファンである)などの影響で弁護士になろうと思った。しかし、高校の時には法学部進学に対して父がかなり否定的な立場をとったため認められず、経済学部に進学した。非法学部から弁護士を目指すことは学習計画や、経済面で無理が大きすぎると判断した。

そこで会社組織に依存せずに難関資格を突破し、資格を生かして専門家として生計を立てる目標は経済系の資格である公認会計士も一緒であると考えた私は公認会計士を目指すことにした。

ドラゴン桜には様々な勉強法のテクニックはあるがその方法は難関大の合格者でも評価はまちまちだが、大多数の難関大合格者に賛同してもらえることは、受験勉強で得られたものは大きい。根気とテクニックで大抵の大学には受かると言うことだ。

高等学校の教科書の限られた範囲の中で知識、技術を競う受験勉強はスポーツや、芸術よりプロとアマの差は小さい。

多くの十代が社会的信用を得るのにまだまだ学歴の力は大きい。学歴社会崩壊などという言説に惑わされず大学受験に励むことを私はオススメする。

救世主大戸屋

少し前に、各週刊誌が取り沙汰していた大手外食チェーンを多く傘下に収めるコロワイドグループのが大戸屋HDに対して敵対的買収を仕掛けるという出来事があった。

そして12月4日付の記事によるとまた新たな動きがあったようだ。

maonline.jp

 

 これによると大戸屋は今期に債務超過陥っており、債務超過解消のために、第三者割当増資、公募増資のどちらかに踏み切るのではないかと言われている。

三者割当増資の意味は以下の通りである。

会社の資金調達方法の一つであり、株主であるか否かを問わず、特定の第三者に新株を引き受ける権利を与えておこなう増資のこと。株式を引き受ける申し込みをした者に対しては、新株もしくは会社が処分する自己株式が割り当てられる。第三者割当増資は、会社の株主資本を充実させ、財務内容を健全化させる。 

出典:https://www.nomura.co.jp/terms/ka_index.html

 公募増資については、以下の通りである

 公募増資とは、新しい株式を発行するに当たり、不特定かつ多数の投資家に対して取得の申し込みを勧誘すること。公募増資の目的は、設備投資などの資金を広く一般投資家から集めるためで、それと同時に、株主層の拡大や株式の流通量の増加というメリットもあります。公募増資の際の価格は通常、時価に近い多少割安な水準に決められて、既存株主の利益を損なわないように配慮されています。

出典

https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ko/J0332.html#:~:text=%E5%85%AC%E5%8B%9F%E5%A2%97%E8%B3%87%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84,%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

 親会社であるコロワイドは、焼き肉屋、回転ずしといった宴会などの非日常食の飲食店チェーンを多く抱えているがコロナの影響で収益力が大きく低下していることから日常のランチや、夕食で普段使いされることの多い大戸屋を急いで傘下に収めグループの稼ぎ頭に早くなってほしいと思っている。子会社の企業価値を向上させることは、親会社の企業価値を向上させることに繋がる。

にも拘らず大戸屋債務超過であり、理論的には企業価値はゼロになってしまい、株価もそれによってゼロになってしまう。下の図の株式価値の部分を株式数で割ると株価になる。

f:id:RTK3594:20201206131829j:plain

出典https://str.co.jp/merger-and-acquisition/enterprise-value-and-stock-value



コロワイドグループは、何としても大戸屋債務超過を解消したいと考えるはずなのになぜ増資を行わないのであろうと考えた。

 

そうであれば、コロワイドグループ内の子会社が第三者割当増資を引き受ければ良いと考えるかもしれません。しかし、どの子会社もコロナ禍を乗り越えるために必死です。

「カッパ寿司」のカッパ・クリエイト<7421>の2021年3月期第2四半期の純損失は18億6,800万円。純資産額は102億1,200万円です。「ステーキ宮」などを運営するアトム<7412>の2021年第2四半期の純損失は9億8,400万円で、純資産額は113億4,800万円です。両社ともに自己資本にはまだ厚みがあるものの、赤字はこの先も継続する見込みであり、長引くコロナ禍での退店や業態転換のクッションとなる自己資本を薄くしたくはないはずです。本体のコロワイドも2021年3月期第2四半期で57億8,800万円の純損失を計上しており、純資産額は295億8,000万円。自己資本比率は11%で、業界の平均的な水準といわれる14%を下回りました。

加えて、敵対的TOBで焦点となっていた大戸屋の経営陣刷新にコロワイドは成功しており、これ以上グループ全体での保有比率を高めることにはあまり意味がありません。これがポイントの3つ目。グループで大戸屋第三者割当増資を引き受けるインセンティブが低い状態なのです。

 なるほどどの子会社も大きな損失を出しており、純資産に対するインパクトは大きいため、どの子会社も増資してほしいはずである。そうすれば我も我もと増資を求め大戸屋だけ特別扱いをするとなるとグループ内での不協和音が生じる恐れがある。

それで親会社コロワイドによる増資は行われる見込みは薄いということだ。

今回は無議決権の株式のみを発行する前代未聞の株式発行となる。これは増資によって経営基盤を強化したいが議決権行使をコロワイドグループの第三者に認めてしまえばコロワイドのよる支配が喪失してしまう。実際コロワイド大戸屋に対する議決権は46.77%と過半数獲得に至っていない。

それを阻止するためにこのような特殊な形でおこなわれたのだと考えられる。

コロワイドグループの飲食店経営のノウハウが大戸屋にいい影響をもたらし、また大戸屋がグループを牽引するブランドになる。これが今となっては理想的な形なのではないかと思う。

 

 

スシローVSくら寿司

M&Aonlineというメディアを知っているであろうか?

その名の通り、企業のM&Aすなわち買収と合併などの情報を載せたものであるが、週刊新着記事のランキング一位に回転寿司チェーンの大手二社である「くら寿司」と「スシロー」の2社を比較する記事が載っている。

https://maonline.jp/articles/sushiro_kurasushi20201205

同記事によると、

 

スシローグローバルホールディングス(HD)<3563>と、くら寿司<2695>の回転寿司大手2社の決算が出そろい、両社の業績に明暗がくっきりと表れた。

くら寿司が当期赤字に転落したのに対し、スシローグローバルHDは減益ながら営業、税引き前、当期の全段階で黒字を確保した。今期の業績見通しも、くら寿司新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「未定」としたのに対し、スシローグローバルHDは利益の全段階で前年度比40%-60%もの増益を見込む。何が両社の明暗を分けたのだろうか。

 つまり業績を伸ばしたのはスシローで、来年度も好業績が見込めるのに対して、くら寿司は赤字に転落して、先も見通せないとしている。

実際に今期の業績はどうだったのであろうか?

再び引用してみようと思う

 

大きな違いが生じるのは損益。スシローグローバルHDの2020年9月期は、営業利益が120億6100万円(前年度比17.1%減)、税引き前利益が105億3600万円(同26.6%減)、当期利益が64億5700万円(同35.2%減)と、いずれも2、30%の減益となった。

一方のくら寿司の2020年10月期は、営業利益が3億5000万円(同93.6%減)、経常利益が11億3500万円(同81.5%減)と8、90%の大幅減益となった。さらに当期損益は2億6200万円の赤字に転落した。

 スシローグローバルHDは9月決算、くら寿司は10月決算、ホームページをみるとまだ有価証券報告書は出ていない様子なのでおそらく速報値を表した決算短信の数値を引用しているのであろう。

www.sushiroglobalholdings.com

www.kurasushi.co.jp

それぞれ2020年9月期、10月期の短信を見てもらえれば分かるが売上収益と、営業利益、経常利益、当期純利益の差は2社で歴然とした差が出ている。

記事によると2社の差は売上による収益ではなく、販管費であるとしている

 

シローグローバルHDの2020年9月期の売上高は2049億5700万円で、前年度比2.9%の増収となった。くら寿司の2020年10月期の売上高は前年度比0.2%減の1358億3500万円でほぼ前年並みとなった。

コロナ禍で売り上げが大きく落ち込む企業が多い中、国民食ともいえる寿司を扱う両社だけに、ともに消費者の支持はしっかりと獲得しているようだ。

大きな違いが生じるのは損益。スシローグローバルHDの2020年9月期は、営業利益が120億6100万円(前年度比17.1%減)、税引き前利益が105億3600万円(同26.6%減)、当期利益が64億5700万円(同35.2%減)と、いずれも2、30%の減益となった。

一方のくら寿司の2020年10月期は、営業利益が3億5000万円(同93.6%減)、経常利益が11億3500万円(同81.5%減)と8、90%の大幅減益となった。さらに当期損益は2億6200万円の赤字に転落した。

両社の損益計算書を見ると、寿司ネタなどの商品を仕入れる際にかかる費用である売上原価率はさほど変わらず、粗利益率はスシローグローバルHDの52.6%に対し、くら寿司は55.2%。この段階ではくら寿司の方が、わずかだがスシローグローバルHDよりも儲かっていることが分かる。

ポイントは販売費と一般管理費のいわゆる販管費。販売費は寿司を販売するのにかかった費用で、店員の給与や、広告宣伝費、運送費などが含まれ、一般管理費には会社全体を管理するのに必要な役員報酬や管理部門の給与、通信費などが含まれる。

売上高に占める販管費の割合を見ると、スシローグローバルHDの46.1%に対し、くら寿司は54.9%と8.8ポイントも高い。粗利益から販管費などを差し引いた残りが営業利益であり、販管費の多寡によって利益に大きな差が生じていることが分かる。

 なるほど数字だけ見ればこの見立ては正しいのかもしれない。問題は同じ業態の2社でなぜこれだけ販管費に差が出たのかが論点になる。

直感的には、商品の標準化が進んだ回転寿司チェーンで店員の給料や、広告宣伝費、商品の原価に差が出るポイントはなかなか見つけることは難しいと思う。

そこで両社のIR情報などから、その理由を探ろうと考えた。

一つはくら寿司は海外の地域別の情報を見ると日本、米国、台湾を中心に展開しており、アメリカでは昨年8月に子会社を上場させ、台湾では今年9月に子会社を上場させている。日本と台湾では利益を出しているのに対し、米国では大きな赤字を出している。これはアメリカでのコロナの感染者や、死者が他国とは桁外れであったことが原因であると考えられる。一応国別のコロナの感染者数、死者数を掲載しておく、

www3.nhk.or.jp

 もう死者数の桁が一桁も二けたも違うので、コロナによる影響が大きく見通しが立たないとした原因はこの辺りにあるのではないかと僕は思う。

一方のスシローは、台湾、韓国、香港、シンガポールなどのアジアを中心に海外展開している。これらの国々ではアメリカやヨーロッパほど感染による被害は少ないためコロナによる影響は比較的限定的と考えられる。

こうした海外展開の違いが一時的な差になったのではないかと僕は推測している。

現代の日本では個人の自由が広く認められ、かつてのような子だくさんの家庭を増やすことは現実的ではなく、外国人を日本のファンにすることが日本の文化、経済、社会を発展させる一番の近道であると考えているので是非回転ずしチェーン大手2社にはその役割の一端を担ってほしいと願うばかりである。

皇位簒奪

タイトルを見ていきなり何のことだと思った方が多いと思うが、これはなんと僕の小学5年生の時の将来の夢である。

小学4年生の時、三國志に出会い、三国志演義などでは悪役として描かれることも多い曹操の息子で魏王朝の建国者である曹丕が中国の後漢皇帝から皇位を譲り受けるシーンがあった。譲り受けるといってもその過程は恫喝、脅迫まがいのことをやって無理やり力づくである。曹丕はこの点から知識人や、儒家からは厳しい批判を浴びせられることとなるが、その後の歴史を見ても王朝の交代はしばしばこのやり方で行われてきた。

これを見た十歳の少年であった私は、「皇室典範では天皇になれるのは、男系男子に限るという規定を知っていたため、2004~2005年当時は、皇太子(今上天皇)と秋篠宮両殿下の代でそれが途絶えるのではないかと有識者の間では話題になっていた。

そこで「愛子様と結婚すれば21世紀の天皇は余であるな、即位してベルサイユ宮殿で朕は国家なりと叫んでやろう」とこんなことを目論んでいたwwwwww

ここ数年、秋篠宮殿下の長女眞子様と小室圭さんの結婚騒動を見てそのことをふと思い出す今日この頃である。

 

正直小室圭さんは一般人の婚活においても市場価値は芳しくない上に、金銭トラブルや、身内に大きな不幸があったされるので親の目線や、立場に立った時に反対したくなる気持ちは全く分からないわけではない。

彼らは普通の家庭でもこんな人は受け入れられない。とおっしゃるが、自分の知人友人に対しても平気で土足で踏み込んで同じことが言えるのであろうか?

小室氏を取り巻く状況は大変厳しい、しかし、婚約報道からすでに4年たっても二人の絆は少しも揺らぐことはない。小室氏側に邪な気持ちはがないと言い切ることは出来ないが、互いを思う気持ちが真実でなければここまで続くことはないだろう。

私個人は、もう21世紀であり、戦後70年以上もたち、皇族にも自由と人権がもっとずっと保証されるべきであり、週刊誌の報道でその権利を我々が取り上げてしまうことに対して違和感を感じる。

昭和の時代に作られた皇室はかくあるべきであるという理想にこれから皇室を離脱される眞子様が翻弄されなければならない理由はもうないと思う。

むしろ日本社会には親や教師の言うことに過度に従順であるべきだと教え込む間違った儒教道徳で進路や、就職、婚姻などで望まない選択を強いられてつらい思いをする人々にとって眞子様の希望が叶うことは、そういった人々にとっても希望となると思うので何とか結ばれてほしいものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネット右翼の生みの親

戦争論』という漫画を知っているだろうか?

この漫画は、元々はおぼっちゃまくんという下ネタ満載のくだらないマンガを描いていた小林よしのり氏が描いた漫画で第二次世界大戦での日本軍の戦争犯罪について世論を切ったマンガである。

私は、戦争論は軽くしか読んでいないが、スピンオフ作品が他にもたくさん出ていて、その中の靖国論を読んだ記憶がある。

戦後の日本では、大日本帝国の暴走で日本は、中国韓国にひどいことをしたから謝罪と賠償を行うべきだという論調がテレビ、新聞、雑誌で支配的になる中、小林よしのり氏が独自で調査や資料解釈などを行ってそれをマンガにした問題作である。

そのため小林氏は当初は国内外のメディア、知識人から多くの批判を浴びていた。しかしインターネット上ではそうしたメディア、知識人の言説を苦々しく思っていた保守派の間で徐々に主張が浸透し、2014年には従軍慰安婦問題の捏造を朝日新聞が正式に謝罪したことなどから日本人の世論も大きく変わり、延々と続く謝罪と賠償による戦後外交を終わらせるべきであるといった考えが国民の間に広がった。

インターネット上で中国や、韓国に対してヘイトスピーチを行ったり、ヘイトを煽る様なデマを流すネット右翼が社会問題となっているが、小林よしのり氏の戦争論が原因となったと主張する人がいるらしい。

確かに小林氏のマンガは風刺画のように戦後の政治家を痛烈に皮肉り、醜悪な姿で描いていたりする。マンガとは思えないほどの文字量で強烈なメッセージを大量に読者に浴びせてくるのでインパクトがある。その文章も時に論理的で時に感情に強く訴えかけてくる。

このマンガを読んだ読者はある人は生理的に受け付けないだろうし、ある人はかつての日本人の美徳であったり、現代人が失った大切な何かに気づく。一方、実在する特定の政治家、国、民族が凶悪に描かれているため過度にそれらの人物や国に対して悪感情を抱き自分が正義であると思い込んでしまうこともある。

私自身、中学生から大学生にかけては、中国韓国の歴史に興味があったが近代以降の中国韓国に対しては過剰に敵視したりする部分があった。

中学生や、高校生の時は、中国韓国が日本の領土を不法占拠していることから我々の安全を脅かすのではないかという不安を感じたことがある。

第二次世界大戦は経験者が現在でも多く生存しており、いろんな人の思いや考えが交錯しやすい。

小林よしのり氏の著作は参考になる部分はあるが、毒にも薬にもなる分、読む時期や読む人の資質を選ぶ本であると考える。

ドラゴン桜エンゼルバンク、インベスターZなどで有名な三田紀房氏などにも言えることだが他のマンガ家がなかなかリーチできない分野についてマンガにして書き続ける。

これは経営学的に競合が少ない分野での成功を目指す戦略であるブルーオーシャン戦略に通じるものがあるのではないかと思う。

スポーツや、アクション、ファンタジーなどのマンガは競争が激しく、ストーリ―と画力、両方がそろわなければ成功は難しい。

しかし、彼らが扱う受験、進学、政治、投資などは各人の人生にかなり大きな影響を与える分、普通のマンガ家はリスクを恐れてなかなか手を出したがらないだろう。

しかし彼らはそれをやってのけられるのは読書や、自己研鑽を通じて得た知識に加えて、みんなと違うことをする勇気なのだろう。

小林氏は商業高校の出身で、先生に「小林は大学に行って本を読め」といわれ、最初は反発していたそうだが、福岡大学に進学するとその通りにやっていたそうだ。

歴史、文学、思想などのジャンルを読み漁ったらしく、それらをマンガを通じてずっとアウトプットしている彼の知見は見るべき点はある。

正直私自身、眉を顰めたくなるような内容もたくさんあるが、こういう考えもあると割り切って読める人には一読の価値があると思う。